非相対取引におけるクレーム申立てとチャージバック

非相対取引のクレーム

非相対取引とは「Non-Face to Face Transaction」と言い、相手の顔を見ずに行う取引を指します。決済にクレジットカードを利用する非相対取引は、次の4つです。

  1. メールまたは電話注文によるもの
  2. インターネットを通じて行われるもの
  3. カード式自動販売機によるもの
  4. CD/ATMによるキャッシング

今回は、このうち、①と②について考えてみたいと思います。③については「トラブルとなりやすいトラベル(旅行)とエンタメ(娯楽)業界」でご紹介していますので割愛します。④については次回ご紹介します。

通信販売、mall order/telehpone order(MOTO)

通販の市場規模は、順調に伸びています。この分野で頻発する苦情のパターンは次のとおりで、チャージバックもこれに応じて行われています。

  • 商品の欠陥
  • 商品の未着。商品が届かないのに代金を請求された。税関による没収や運送業者の誤送は、チャージバックできない。なお、注文をキャンセルした後、品物が届いたため、受け取りを拒否した場合は、「未着」には該当しない
  • 品質相違。送られてきた商品がカタログ内容と異なる
  • 払い戻し手続未済。商品を返送したが、代金を請求された
  • キャンセル後の継続請求。保険や雑誌購読の分野で多く発生する
  • その他。覚えのない取引、なりすまし、不良加盟店の不正行為、海外富くじの勧誘、など

カード会社は、特に海外通販には巻き込まれないようにガードを固めています。本来、カード会社が会員に代わって直接外国の通販会社とやりあう必要はないはずです。しかし、会員はトラブルだとカード会社に迫る(頼る)ケースが多いのも事実。

カード会社は会員に対し、次の点に注意するよう呼びかけていますが、効き目があるかどうかは今のところ疑間に思うところでもあります。

  • 通販では、会員は自己責任で通販会社と取引を行うこと
  • カタログなどに記載された文字、たとえば、no exchange(交換お断り)、all sales final(売り切り)、no refund(返金お断り)などをよく理解すること

次に、通販の代金決済方法について見てみましょう。日本通販協会の2000年度資料によると、通販の代金決済方法は、次の表のとおりとなっています。

通販の代金決済方法

郵便振替 郵便振替43.5%
代金引換 29.0%
クレジットカード 10.7%
コンビニエンスストア 7.9%
銀行振込 5.1%
その他 3.8%

この表から分かるように、通販代金決済におけるクレジットカードのシェアは11%程度です。その分だけ、カードトラブルの件数も少ないといえるのではないでしょうか。

インターネット取引

現時点では、インターネット取引のトラブルは、通販の場合と大差はないようです。しかし、次のような不気味な予想も出ています。

  • インターネット取引の代金決済の主役は、通販と異なり、クレジットカードが全面に出てくると見込まれていること
  • インターネット取引では、カード情報がいわば裸の状態で流される場合が多く、他人がこれを傍受して悪用する危険性が高いこと(これを防ぐには暗号の活用が望まれる。)
  • インターネット普及率は、2001年末で44%、今後さらに伸びると推定されること(総務省2002年5月21日付の通信利用動向調査)。また、日本のe-コマースの市場規模は2005年末までに、2000年に較べ、40倍に膨れ上がると予測されること(アクセンチュア(株)調べ)

国民生活センターに寄せられたネット取引関連の相談件数は、次のとおりです。

1995年度 5件
1996年度 61件
1998年度 544件
1999年度 1055件
2000年度 2214件

この件数が今後どのように推移していくのか、注目されるところです。ちなみに、インターネット取引の安全を確保するための行政当局の動きを示すと、次のとおりです。

  • 通産省(当時)は97年8月、訪問販売法改定に着手。同年10月、インターネット通販取引被害研究会を設置。その後数回特定商品取引法(通販法の名称改正、99年6月)の改訂を進め、2002年7月には迷惑メールの規制を実施
  • 郵政省電子通信審議会(当時)は97年4月、サイバー法の制定を提言(電子署名及び認証業務に関する法律、2001年4月1日施行)
  • 警察庁は97年9月、情報システム安全対策ガイドラインを公表
  • 経済企画庁(当時)が事務局を努める国民生活審議会は99年1月、消費者契約法の概要を発表(2001年4月1日施行)
  • 経済産業省は、特定商取引法による、ネット通販への規制を強化
  • 警察庁は2001年8月、古物営業法改正のための報告書を発表。ネットオ―クション業者に都道府県公安委員会への届け出義務を柱とする改正案を2002年の通常国会へ提出。同案は2002年11月22日、臨時国会で成立、公布。近い将来施行の予定

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