あなたは大丈夫?郵便物の抜き取り、窃盗とその対策について

郵便物の抜き取り

アメリカや南アフリカではNRI(never received issue、未着カードの意)と称されるカード犯罪が多発しています。クレジットカード会社から会員ヘカードが送付される過程で、カードを奪い取り、不正利用する手口です。

やり方が荒っぱく、1件当たりの被害額が大きいのが特徴です。

日本国内でも郵便物の抜き取りはあるの?

日本では、カードの郵送は書留郵便扱いにしているので、この種の犯罪被害は小規模にとどまっているようですが、決して他人事ではありません。また、少ないながらも驚くべき事件が存在します。

かつて、公団住宅の集合メールボックスから不在配達通知書(郵便物お預かりのお知らせ)を抜き取り、偽りの身分証明書と印鑑を使って、郵便局からクレジットカード入りの簡易書留便を詐取していた男が逮捕されました。粘着性の強いこの犯人は、双眼鏡を使って集合メールボックスを根気よく見張り、配達人が不在配達通知書を入れるのを待って、これを抜き取っていたといいます。

さて、郵便制度に絡むクレジットカード犯罪を整理すると次のとおりとなります。

郵便制度に絡むクレジットカード犯罪

  1. 郵便局内部職員の犯行
  2. 郵袋奪取(空港や駅構内あるいは印刷業者からカード配達用の郵袋を奪い取る)
  3. 共謀(局員と外部犯人との共謀)
  4. 部外者の犯行
    • 不在配達通知書やカード利用明細書の抜き取り
    • 転居届の悪用
    • 私設私書箱(とくに電話代行サービス付きのもの)制度の悪用
    • マンション管理人によるカード入り封筒の無断開封(買い回り後、再び封筒に戻す)
    • 受取人不在の局留置便を、カード会社職員あるいは郵政監査局員と偽って聞き出し、後日これを詐取する

以上のうち、①~③は主としてアメリカや南アフリカで多発していると伝えられています。郵便物を満載したトラックごと強奪したり、ハブ空港で郵袋を奪い取るなど、大掛かりで荒っぽい手口が目立ちます。

これに対して、日本では④のケースが多く、郵便抜き取りに対しては、カード業界は次のような手を打つています。ただし、業態別に見ると銀行系が対策に極めて熱心であるのに対し、流通系等はさほど関心を示していないなど、取り組み姿勢にややバラ付きがあるようです。

  1. 郵政省郵便局サービス管理室が、クレジットカード入り簡易書留便の取扱いを厳格にするよう指導することを要望
  2. 抜き取り発生の疑いのある地域においては、カード会社が直接会員に対し、カードを受け取ったことを随時確認する
  3. カード利用明細書のクレジットカード情報の一部を暗号化する。暗証番号の決め方に注意するよう会員に要請する

このほか、次の2点を検討、実施することを望ましく考えています。

クレジットカードにおける転送無用制度の適用

受取人が引越しをして、1日住所の所管郵便局へ転居届を提出すると、郵便物は新住所へ転送される(届け出日から1年以内)。これは有難い制度である反面、悪用される可能性もあります。これを封じ込むのが転送無用制度です。

この文言がスタンプされた郵便物は差出人に返送される仕組みである。ちなみに、銀行がキャッシュカードを郵送する場合は、この制度が利用されるケースが多いのです。

到着確認とカード発効との連動制度の採用

これは、アメリカで導入されている方式です。カード会員は、新規、更新、再発行の如何を問わず、カードを受け取ったらイシュアーに電話連絡することを義務付けられていて、イシュアーはこの連絡を受けると、本人確認をした後、カードが利用できるように措置します。

カード業界にとって、この制度はやや煩瑣に過ぎる嫌いがあるかもしれないが、郵便制度を悪用する犯罪の防止に役立つのみならず、カード会員とのコミュニケーションの機会を増やすメリットもあるのではないでしょうか。一考に価する制度では?

郵便物の抜き取りがあった場合の対策

毎日のように届く郵便物、いちいち意識して確認している人は少数派ではないでしょうか。しかし、油断していると知らず知らずのうちに郵便物を抜き出され、それがトラブルにつながる可能性もあります。

もし、不在などが重なり郵便物の行方がわからなくなった際によくあるようです。この対策としては警察に頼る、というのが真っ先に思い浮かびますが、決定的な証拠がない限り、見回りの強化くらいしかしてくれないようです。身を守るためには、自分から行動を起こす必要があります。

郵便物の抜き取り、目的は何なの?

単純な嫌がらせ、と考えがちですが、実は個人情報を盗み出すことが目的であるケースもあるのです。

郵便物には電話番号が知られる電話料金の請求・領収書、買い物などの利用状況が知られるクレジットカードの請求書など、他人に知られたくない情報がたくさんあります。

例えば架空請求や振り込み詐欺の下地にするなど、なんでもない個人情報でも、悪用する手段は無数にあります。

郵便物の抜き取りは窃盗罪を問えます

仮に誰かが意図的に捨てたとなると、器物損壊罪の可能性があります(刑法261条)。財産的価値のあるものを取得しようとして、持ち去ったのであれば窃盗罪の可能性もあります(刑法235条)。

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