クレジットカードの不良加盟店に対する異議申立て

不良加盟店に対する異議申立て

購入者がカード発行会社に対して、カード請求書に記載された請求内容に対して異議を申し立てることを「支払い異議申し立て」といいます。

支払い異議申し立ては最短で2週間ほどで解決しますが、一部のケースでは数か月に及ぶ場合もあります。加盟店と購入者様の間で意思疎通に問題があったり、不一致があったりする場合、解決までにかかる時間はより長くなることがあります。

チャージバックの発生原因

チャージバックの発生原因をカード取引当事者別に分類すると、次の表のとおりとなっています。加盟店にかかわるものが全体の6~7割程度を占めていることがわかります。

チャージバックの原因を誰が発生させているか?

カード会員によるもの(思い違い、不正行為など) 約5%
第二者によるもの(カード会員の親族や同居人、外部の犯罪者などによる不正行為など)
アクワイアラーによるもの(データ請求未回答や判読不能データ送付など) 25~30%
加盟店によるもの(信用照会ミスや無効通知チェック漏れなど加盟店契約違反によるもの) 60~65%
上記のうち、不良加盟店によるもの 20%強
その他 1~2%

国際ブランドの資料をもとに作成

加盟店契約違反とチャージバック

契約には、カードの視認、本人確認(サイン照合を含む)、オーソリ(信用照会)確認、無効通知のチェック、サーチャージ(手数料)の上乗せ禁止など、詳細な義務規定が定められています。加盟店がこれに違反すると、チャージバックの原因になることも明記されています。

契約違反事項のワースト5は、数年前までは、

  1. 会員番号不一致
  2. 売上伝票の重複処理
  3. 無効通知未確認
  4. フロアリミット(信用照会を義務付ける一定限度の価格)の違反
  5. 商品未配達

といった順でした。しかし、最近は時代の流れを反映して、信用照会端末機の普及に伴い、③と④とが減少傾向を示している半面、通信販売(ネット通販を含む)とT&E(旅行・娯楽)関連の苦情が増加しています。

このほか、売上伝票の提出遅延、赤伝(代金の払い戻し伝票)処理遅延、失効カードによる取引、計算違いなどが根強く散発している。これらの紛争はいずれについても、証拠さえ揃えばチャージバックは可能です。ただし、無効通知発送前の盗難カードによる買い回り、通販取引上の「なりすまし」などはチャージバックが困難なことが多く、保険で辛うじて求償できるケースが多いのでご注意下さい。

不良加盟店に対するチャージバック

POC(カード情報を横流しする不良加盟店)については前述しましたが、最近では、加盟店内部の不正行為は、犯人グループとの共謀の手口がさらに巧妙化しています。
フロアリミット回避のための売上伝票分割、端末機の不正操作などは初歩的な手口です。これらのうち、端末機の不正操作ならびに、次に述べる「不良加盟店指定」については、無条件のチャージバックが認められています。

不良加盟店のあぶり出し

VISA、MasterCardなどの国際ブランドカードは、世界的規模で構築した信用照会・決済ネットワーク並びにメンバーからの不正行為報告システムを利用して、不正行為をよく行う加盟店を統計的に割り出して、その結果をメンバーにフィードバックするサービスを提供しています。

VISAのRIS(risk identification system)や、マスターカードの「8% merchant watching system」がその例といえます。

具体的に説明すると、一定期間中のある加盟店のチャージバック、偽造カードや紛失盗難カードによる取引、不正な売上伝票デポジット、伝票の横流しなどの事故取引件数・金額を分子とし、総売上件数・金額を分母として、その割合が一定の比率を超える加盟店をあぶりだす仕組みです。

問題のある加盟店が発見されると、まず、関係するアクワイアラーに通知され、当該店の監視や教育の強化が求められます。次いで、この加盟店名をSECURITY BULLETIN(VISA、MasterCardがメンバーに流すセキュリティ関係警告書)に掲載し、全世界に公表する措置がとられます。公示期間は通常6~12カ月です。この加盟店が関与した不正行為に対しては、無条件でチャージバックが認められ、アクワイアラーはこれに対抗できないものと定められています。

アクワイアラー責任の重視

カード取引上のトラブルや不正行為などによる損害の責任は従来、カード会員を監督する立場にあるイシュアーがこれを負担するべきだ、という考え方が支配的でした。しかし、カード不正行為の急増を背景として最近、トラブルの震源地となりやすい加盟店を監督する立場にあるアクワイアラーの責任をもっと強化すべきだとの声が高まってきています。

VISA、MasterCardなどの国際ブランドカードもこの動きに応じて、

  • 不良加盟店と認定された店へのチャージバックを認める
  • オーソリ請求(信用照会請求)の場合、磁気テープ内のデータをすべて無修正でイシュアーに電送することをアクワイアラーヘ義務付ける。違反すれば、無条件でチャージバックの対象とする。これは、アクワイアラーが自分に不利なデータの電送を故意に行わない、などの行為を封ずるためである
  • 偽造カードによる損失は従来、イシュアーの負担としてきたが、あるアクワイアラーの関与した偽造カードによる損失額が一定の水準を超えると認められた場合は、超過部分相当額を当該アクワイアラーから徴収する

といったような措置を打ち出してきています。

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