クレジットカード会社はどうやって利益を出しているの?

クレジットカード会社の収入源

クレジットカードビジネスは「フィービジネス」といわれています。カード会社は、会員や加盟店から手数料(金利)を得て、経営を成り立たせています。以下、その収入内容を国内のカード会社と国際プランド会社とに分けて、考察してみましょう。

国内のカード会社

平成11年の経産省、「特定サービス産業実態調査」によると、クレジットカードを発行している企業は、銀行系、信販系、流通系、メーカー系、中小小売商団体およびその他に分類されています。それぞれが異なった収入構造を持っているので一概には説明できないが、主な収入源をみると次のとおりとなります。

キャッシング手数料(キャッシング金利)

会員がATMなどを利用してキャッシングした場合の手数料(金利相当分を含む)です。金利は企業によって異なるが、おおむね翌月1回払いで年率20数%、リボ払いで20%前後です。

加盟店手数料

加盟店で、カード会員がカードによる買い物をした場合、その加盟店がアクワイアラーに支払う手数料です。加盟店手数料は、低率なところで1~2%、高率なところで7%前後、平均で約3%といったところでしょうか。同じ加盟店でも、複数のカード会社と加盟店契約を結んでいる場合には、カード会社によって料率が異なることもあります。この手数料は、アクワイアラーとイシュアーとの間で分配されることになりますが(これをインターチェンジ・リインバースメント・フィーという)、これについては、次項で説明します。

分割払い0リボ払い手数料

会員がショッピング代金の支払いを分割払いやリボ払いに指定したときに、カード会社が会員から受け取る手数料です。料率は年率で10数%です。

年会費

カード会社が会員から毎年徴収する会員制組織の会費です。一般カードで1200円前後、ゴールドカードで1万円前後、さらにカードによつては5万円前後と高額なものもあります。最近は、主として流通系カード会社などを中心に、会費無料のカードが増えています。初年度のみは会費無料というカードも散見されます。

提携カード手数料

流通業者やメーカー、JRあるいは学校法人などと提携し、それぞれのマークを付したクレジットカード(提携カード)を発行した場合、カード会社が提携先から受け取る手数料です。料率は提携内容や相手先との力関係で異なります。

逆に、大型提携カードの場合には、カード会社が提携先に「提携協力費」「会員獲得報償金」などの名目で一定額を支払うこともある(たとえば、ショッピング売上高の1%とか、カード発行1枚当たりいくら、といった形)と伝えられています。

業務代行(アウトソーサー)手数料

大手カード会社が、他の中小カード会社からの委託を受けて、カード関連業務の一部を代行する場合に受け取る手数料です。料率は、提携カードの場合と同様、千差万別です。

システム関連手数料

大手カード会社が、自社のコンピュータや通信回線を他のカード会社に利用させる場合に受け取る手数料です。また、CD/ATMのオンライン提携において、自社のATMで他社カードのキャッシングが行われた場合、当該他社が支払う手数料もこの範疇に含まれるでしょう。

通信販売関連収入

カード会社の多くは、会員向けに電話や郵便、ファクシミリを利用した通販サービスを提供しています。その収入です。

会員誌購読料

カード会社が会員向けに雑誌を発行し購読料を受ける場合があります。

会員データベースを利用したDM発送手数料

カード会社は、外部業者からの委託を受け、会員データベースから一定の条件で会員を選び、DMを発送しています。それによる手数料です。以上が、クレジットカード会社の主な収入源です。収入の柱は、加盟店手数料とキャッシング手数料です。この表は、1998年7月に発表された経産省の「特定サービス産業実態調査速報」によるものです。やや旧聞に属するが、その後、同省はこの表の作成を取り止めたので、1つの参考計数として引用したものです。

国際ブランドカード会社

国際ブランド会社、VISA、MasterCard、JCB、アメックス、ダイナースのうち、取扱高が圧倒的に多いVISAとマスターカードに焦点を絞って考察を進めましょう。

ただ、最初にお断りしておきたいことが2つあります。1つは、両者とも必要な経費のみをメンバーから徴収する非営利団体であり、2つ目は、両者とも各種手数料率等を公表していないということです。

これら2大ブランドは、全世界を北米、欧州、アジア太平洋地域等5つの地域に分け、各地域の最高意思決定機関である理事会に手数料体系を設定する権限を与えています。料率の変更もかなり頻繁に行われます。この全容を知ることは、部内者でも難しいので、ここでは、骨組みだけを紹介しておきましょう。

両ブランドの年間収入

MasterCardの年報(1998)によると、98年中の同社の収入は1257百万ドル(手数料609、アセスメント579、その他69各百万ドル)となっています。VISAは明らかにしてはいません。その後の計数は両者とも不明ですが、だいたい10数億ドルの水準で推移しているのではないでしょうか。

収入の内訳

VISAやMasterCardがメンバーから徴収する金額の名日は、次の4つです。

業務運営上の手数料(10項目)

  • オーソリ関連手数料、支払人はイシュアー。1件当たり数セント程度
  • コール・ミー請求手数料、支払人はイシュアー。1件当たり1~3ドル
  • 清算・決済手数料、支払人はメンバー。1件当たり10セント前後
  • 無効通知手数料、支払人はイシュアー。1件当たり4~100ドル
  • 検索請求手数料、支払人はメンバー。1件当たり3~25ドル
  • チャージバック手数料、支払人はメンバー。1件当たり数セント
  • アービトレーション、コンプライアンス手数料、支払人はメンバー。1件当たり250~500ドル
  • 会員への緊急サービス(緊急カード再発行など)、支払人はイシュアー、1件当たり15~65ドル
  • ATM手数料、支払人はアクワイアラー。1件当たり2ドル前後ATM回線使用料は月100ドル程度か
  • 外貨換算手数料、支払人はカード会員。1件当たリブランドが1%、メンバーが0.6~0.63%(8分の5、86年6月当時の1カ月ものBAレートに相当)

四半期別アセスメント(3項目)

  • 標準アセスメント。支払人はイシュアー。国内で発行されたカードによる国内売上、同カードによる海外売上、海外発行されたカードによる国内売上、国内キャッシング取扱高を基準に算出
  • 特別アセスメント。支払人はイシュアー。ゴールドカードなどに対する特別な課徴金
  • 新規参加メンバー・アセスメント。支払人は新規参加メンバー。一定の割高な課徴金を課し、3年後に実績に応じて調整する

システム関連費用等(5項目)

  • コンピュター据え付け料等。支払人はメンバー。600~5000ドル
  • CPU接続料。ブランド処理センターとメンバー間の接続料。支払人はメンバー。月5000ドル程度か
  • ソフト組み込みと初期サービス。支払人はメンバー。2000~8000ドル
  • BIN割り当て。支払人はメンバー。1件1年間100ドル程度か
  • 回線オペレーター・サービス料。支払人はメンバー。SE(システムエンジニア)などによる指導・サービス料。1人1時間当たりの実費

その他(7項目)

  • メンバー新規加盟料。支払人は新規加盟メンバー。1万~5万ドル
  • 報酬。支払人はイシュアー。盗難カードの回収など。15~1000ドル
  • ペナルティ。支払人はメンバー。報告義務違反、検索請求等のルール違反等。50~1000ドル
  • アクワイアラー責任課徴金。支払人はアクワイアラー。加盟店管理責任を問うため、偽造カード被害額等の一部を負担させるもの

広告代金。支払人はメンバー

  • 特別調査費、プロジェクト開発費等。支払人は全メンバー。営業規模等に応じて割り当て
  • 脱退費、支払人は脱退するメンバー。課徴金はケースバイケースで算出

インタチェンジ・リインバースメント・フィー(IRF)

最後にIRFについて述べておきましょう。IRFは、「加盟店手数料の分配」の原型であり、アクワイアラーがイシュアーに支払う売上交換手数料をいいます。

インタチェンジは、A国のイシュアーとB国のアクワイアラーの間における取引データのやり取りを、リインバースメントは、補償を意味します。IRFは、「貴社(イシュアー)のカードのお陰で、当社(アクワイアラー)の売上が伸びました。これはそのお礼です」という気持を表したものと考えればわかりやすいでしょう。

イシュアーとアクワイアラー間の問題なので、ブランドが中に立って分配率を定めます。通常、イシュアー側の金融コスト、リスクコスト、データ処理コスト等を参考にして決定されます。
ちなみに、IRFをマスターカードは、「イシュアー固定料率」と呼ぶことがあります。料率は数年おきに見直されます。

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