POSシステムとは?POSシステムの仕組みとメリット・デメリット

POSシステム

POSシステムを導入してくれと言われても、そもそもどういう機能があるのがPOSシステムなのか悩む方も多いと思います。POSシステムについての歴史や様々な機能、種類をここでは詳しくまとめてお伝えします。

POSシステムとは

POS(point of sale)は、「販売時点情報管理」を意味し、一般的にはPOS機能付き金銭登録機(レジスター)をPOSレジ(POS端末)と呼びます。通産省は、POSシステムを「光学式自動読取方式のレジスターにより、単品別に収集した販売情報や仕入れ、配送などの段階で発生する各種の情報をコンピュータに送り込み、各部門がそれぞれの目的に応じて、有効利用できるような情報を処理、加工、伝達するシステム」と定義しています(流通システム開発センター編『POSシステム』による)。

POSシステムには、バーコード・スキャナ、カードリーダー、プリンター、マネーケース、キーボードなどの周辺機器が付属しています。いまやPOSシステムは小売業全般の販売情報管理の中枢となっています。その仕組みは次のとおりです。

  1. 商品のバーコードやOCR(工学的文字)値札をスキャナで読み取り、端末に送り込む
  2. 電送されたデータは、ストアコントローラー(SC)に伝えられて記録され、日付、商品名、価格などの情報がPOS端末に返送されて、レシートとして打ち出される
  3. SCに蓄積された販売データは、オンラインまたはマグネティックテープ(MT)によって、本部のコンピュータに送り込まれる
  4. 本部はこれらの情報を、在庫管理、配送、仕入れ、発注などの目的に利用するとともに、これを加工、分析して経営戦略の基本データとする

POSの生い立ち

POS端末の前身をたどると約100年前に遡ります。1897年、オハイオ州の田舎町のあるバーの経営者が、店員が売上金をごまかしているのに気づき、独自のキャッシュボックスを作り上げました。これは、金庫、売上金表示、レシート発行、簡単な日付表作成といった機能を備えた手動式のものでした。POSレジの誕生です。

日本では、その9年後の1906年、三越百貨店がこの型のPOSレジスターを輸入した。これが日本のPOS端末第1号といわれています。その後、この金銭登録機には、利用者のいろいろなニーズに応じた顧客情報管理、在庫管理などの機能が付加されていきました。

しかし、日本では、大量のハウスカードが発行されたアメリカと異なり、現金客が圧倒的に多い事情を反映して、POSとクレジットカードの結びつき、とくにカード処理とセキュリティ対策の観念は希薄でした。

POS端末の種類と機能

POS端末の3大メーカーは、富士通、NECおよび日本IBMです。機種と機能は多種多様であるが、機種は目的別に次の4つに分類できます。

  • 標準タイプのPOS
  • クレジットカード対応のPOS
  • 価格検索型POS
  • 銀行POS

機能は、クレジットカード対応型のものを整理すると、以下の表のとおりとなります。

機能 内容
売上処理 バーコードや値札を光学的に読み取り収録。領収書作成・発行。カード読取。売上伝票作成。
データ収集 データ収集販売時点売上情報を読み取り、SCへ送付。SCから本部のCPUに集中。
リポート作成 日計表、月間累計表、特定商品集計表、売り場部門別売上表、単品別粗利リポートなど
カード対応 IDカード、クレジットカード、ハウスカード、デビットカード、ICカードのどの読取り、オーソリ請求など
安全管理 操作ガイダンス。レジューム機能(停電などに備えたもの)、ヘルプデスクヘのホットライン。電子メール送受信。CRT(ブラウン管)ディスプレー
情報伝達DLL 本部処理センターから各端末ヘ一括送信
その他 その他インターネット通信対応。クーポン券発行。ロゴマーク印字。ポイントサービス集計。個別商品検索など

POS標準仕様と接続回線

POSが採用している代表的な基本ソフト(OS)は次の4つです。

  • windows NT、workstation 4.0
  • windows 95
  • windows 3.1
  • MS-DOS

現在、POSシステム構築のための総括的、一元的な標準仕様はなく、各メーカーは独自の仕様を採用しています。しかし、周辺機器をカバーする標準仕様としては、マイクロソフト社を事務局とするOLE POS技術協議会が制定した「OLE POS仕様」があります。POSの接続回線は、通常CAFIS(credit and finance information system、NTTデータ通信いの通信ネットワーク)または電話回線です。

クレジットカードとPOS

CATとPOSは、ともにクレジットカードのためのオーソリ端末として利用されていますが、前述したように、その生まれも育ちも異なります。しかし、両者は加盟店における信用販売という共通項により、次第に密接な関係をもつようになりました。CATとPOSとのドッキングは80年代中ごろから始まりました。

当時の百貨店は、成熟した巨大産業であり、クレジットカード業界は、立場の弱い後発産業でした。カード会社が百貨店と加盟店契約を結ぶに際しては、カード会社の担当者はたいへんな苦労を味わったと聞いています。「そんなに頼むなら、まあ、加盟店とやらになってやるか」「客を待たせるオーソリ手続なんてとんでもない」「偽造カードによる売上でも、売上は売上だ。その始末は一切、カード会社でつけてもらう」などと公然と言われた時代でした。

このような雰囲気は90年代初めまで続いたが、クレジットカードが社会に浸透するに従い、百貨店側の高圧的な態度も当然のことながら軟化してきました。ただ、POSの開発コスト、オーソリコスト、ICカード化のコストなど、越えるべきハードルはまだ数多く存在します。

クレジットカード対応型POS

クレジットカード対応型POSには、以下の4種類があります。

カードリーダー内蔵型POS

従来、周辺機器としてPOS端末に付属していたカード読取機をPOS本体に組み込んだタイプ。かなり普及しています。

オンラインA型POS

別名「POSギャザ」といいます。カードの全件オーソリや売上処理などを、G-CATと同様にオンライン、リアルタイムで行うもの。主としてショッピングセンターや専門店に配置されています。普及率はまずまずです。

オンラインB型POS

フロアリミットを超える買物については、オンラインでオーソリをかけ、リミット以下の場合には、加盟店センターが保有する無効カード情報をチェックします。売上データは電送せずに、手元でバッジ処理します。主として百貨店や大型量販店などに配置されており、普及率はまずまずというところでしょうか。加盟店センターの事故カード情報の蓄積容量と情報入力のタイムラグという2つの問題も解決間近でしょうか。

ガソリンスタンドPOS

通産省の調べによると、2001年3月末現在、ガソリンスタンド(GS)の数は約5万2000店。GSに置かれているPOS端末は、それぞれが元売各社に接続され、ここで無効カード、事故カードのチェックのみが行われる仕組みとなっています。

前述のオンラインB型と同じ問題を抱えており、カード不正使用の温床の1つにもなっています。

バンクPOS

バンクPOSとは、デビットカード(J-Debitカード、銀行キャッシュカード)専用端末の総称です。銀行は、加盟店契約を結んだ商店にこの端末を配置し、これを専用回線または電話回線と接続し、取引のつど、リアルタイムでデビットカード保有者の回座と加盟店の口座との間で資金振替を行う仕組みです。

バンクPOSには、POS端末と銀行のCPUがオフラインで、口座振替は営業締め切り後に一括してバッジ処理されるものもある(日本デビットカード推進協議会)。

バンクPOSは、1984年の大蔵省機械化通達に基づき、東海銀行とトヨタ生協とが、試行的に始めたのが第1号といわれています。その後、同通達の規制緩和や電気通信事業法の改正などもあり、実験範囲は次第に広がっていきました。97年にはこの通達が廃止され、98年の「日本デビットカード推進協議会」誕生に伴い、バンクPOS取引は全国的に展開されるようになりました。

POSシステムの課題

ネットショッピングの広がりと決済手段の多様化が、今後一段と加速化されるのは確実です。POS端末は、日先の問題としてはCAT/CCTとの融合が必要視されていますが、その先に控えている課題は端末のIC化対応でしょう。

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