クレジットカード絡みの通販・インターネット犯罪について

クレジットカード絡みの通販・インターネット犯罪

日本の通信販売MOTO(mail Order/telephone Order)市場は順調に拡大を続けています。市場規模は、社団法人日本通信販売協会の調べによると、2000年度の売上高は2兆3900億円(前年度比+5.3%)に達しました。2016年では6兆9,400億円という急成長を見せているのがインターネットを介した通販です。

このうち、同協会会員社のインターネットによる売上高は約380億円(会員総売上高の約2%)でした。通販の本家アメリカの市場規模はさらに大きく、1998年度の通販売上高は約39兆4700億円(1ドル=110円換算)、日本の18倍に相当します。

同国では、通販・インターネット通販絡みの犯罪が大きな社会問題になっていますが、日本では今のところ、頻発はするものの、不正行為による被害はまだ小規模にとどまっているようです。

クレジットカードが絡んだ通信販売犯罪事例

まずは、クレジットカードに絡んだ通信販売およびインターネット犯罪の事例を見てみましょう。

  • 不正に入手した日本のカードを海外に持ち出し、通販に利用する。発注・受け取りとも海外で行われるので、追跡は困難である。
  • 国内で、他人名義のカードを利用し、転送制度と私設私書箱を悪用する。
  • にせの電話セールス。相手のカード情報を聞き出し、これを横流しする。
  • アダルト電話サービス業者が海外の電話会社と組み、相手に国際電話をかけさせる(利用者は自分が国際電話をかけていることに気づかない)。
  • 海外不良加盟店によるDM(ダインクトメール)作戦。応募料金は小さく英文で書いてある。通販カタログマニアがよくこの手に引つかかる。
  • いたずら、いやがらせ。他人のカードを使って婦人下着などを大量に発注する。

これらの他にも通販における犯罪は多く存在し、これらはまだ氷山の一角と言えるでしょう。

クレジットカードが絡んだインターネツト犯罪事例

  1. なりすまし。他人のID。パスワードの盗用
  2. 詐欺。代金を受けて商品を送らない。オークション、アダルトサイト、ギャンブル、内職募集など
  3. 不法商品売買。他人名義の銀行日座、個人情報、覚せい剤、麻薬、銃、偽造国際免許証、偽造パスポート、偽造入学許可証などの売買
  4. 身に覚えのない請求。ダイヤルQ2電話料金、国際電話料金など
  5. ギャンブル。競馬、ポーカー、ルーンット、宝くじなど
  6. カード情報。クレジットマスター、クレジットウイザード
  7. ネズミ講(pyramid scheme merchant)。健康食品のモニター料金等
  8. 不正アクセス。ハッキング。
  9. 脅迫・恐喝.盗んだカード情報をバラまくといって脅迫。出会い系サイトを悪用しての恐喝
  10. 個人情報漏洩。クッキーソフト(c00kie、コンピュータソフト、ホームページの提供者が、ユーザーに関する情報やサイトを訪ねた日時等を記録、保存するために使用するソフト)を利用して他人の個人情報を集め、これを他へ漏らす
  11. 悪質な嫌がらせ。スパム(spam、他人のe-mailアドレスに、営利目的のメールを無差別に大量配信する行為。メール受信料は受信者の負担となるので、一方的に送られるメールは極めて迷惑。また、スパムは一度に大量に配信されるので、公共回線に過重な負荷をかける)、メール爆弾、迷惑電子メールなど。ウイルスのバラまき、システム破壊、フリーズ、異常メッセージ、データ消去・改富など
  12. その他、猥褻物頒布、児童買春・ポルノ法違反行為、誹謗、中傷、名誉毀損、ツーショットダィヤルなど

⑧ハッカー:hakker、コンピュータの技術を限界まで活用し、楽しむ人のこと。好奇心が勝り、善悪の見境なく、他人のコンピュータに侵入し、秘密のデータにアクセスしたりするので、犯罪者のイメージが強いが、本来は犯罪者ではない)、クラッキング(クラッカーcracker、犯罪を行うハッカーの総称)、ポートスキャン(portscan、コンピュータソフト、ネットワークを通じ、サーバーに連続してアクセスし、セキュリティホール(弱点)を探す行為。侵入口を発見すると、侵入用のプログラムを使って他人のコンピュータに不正侵入する)を利用して他人のパソコンを覗き見、盗聴、データ改宣等

ところで、前述したように、日本の通信販売におけるカード絡みの犯罪はこれまで、比較的小規模にとどまっています。その理由としては次の4点が挙げられるでしょう。

日本ではカード絡みの犯罪が比較的小規模な理由

  1. 市場規模がまだ小さいこと
  2. 通販の決済方法のうち、クレジットカードが占める割合は2000年度で11%弱にとどまつていること(日本通信販売協会調べ)
    • 郵便振替 43.5(%)
    • 代金引換 29.0
    • クレジットカード 10.7
    • コンビニ決済 7.9
    • 銀行振込 5.1
    • その他 3.8
  3. アメリカと異なり、国土が狭く人口の移動も低い。犯人の割り出しが比較的容易であること
  4. 通販業者と日本通信販売協会との連携がしっかりしていることに加え、カード会社による通販加盟店の管理が行き届いていること

しかし、通信販売の分野では比較的おとなしい動きが見られる反面、インターネットの世界では不穏な動きが芽生えつつあるようです。経済産業省の調べによると、2001年度中のネット通販トラブル件数は80件(前年比+21.2%)と急増、また国民生活センターによると、ネット上のダイヤルQ2国際電話トラブル件数は3年前から急増に転じ、2001年度は3月21日までに3999件と前年度の936件を大きく上回りました。

しかも、ダイヤルQ2の請求額が2カ月で120万円に達したケースも出てきました。総務省が2002年5月21日に発表した通信利用動向調査によると、日本の2001年末のインターネット普及率は44%となった。また、アクセンチュア(米国の著名なコンサルティング会社)の調べによると、日本のe-コマースの市場規模は、2005年末までに2000年に比べ、消費者向けで約40倍、企業間で5倍に膨れ上がると予測され、しかも、e-コマースの成約条件としてクレジットカード番号の入力が求められるケースが増えている点も見逃せません。

ネット上のセキュリティ対策を一刻も早く実施することが強く求められるでしょう。

日本の通信販売業界全体の売上高の推移

1991年度 17,600(億円)
1993年度 19,100
1995年度 21,100
1997年度 22,000
1999年度 22,700
2000年度 23,900
2001年度 24,900

米国のダイレクトマーケティング市場の推移

1991年度 211,100(百万ドル)
1993年度 237,190
1995年度 277,440
1997年度 318,500
1998年度 358,820

(その後、調査打ち切り。以上いずれも日本通信販売協会調べ)

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