コーチ屋はクレジットカード多重償務者を狙う!?その手口は…!

多重債務者を狙うコーチ屋

あなたは「コーチ屋」という存在をご存知ですか?

コーチ屋とは、何件もの消費者金融から借り入れを行っていて、支払いに苦しんでいる多重債務者などを狙って勧誘し、あなたが持っているクレジットカードで、現金に換金しやすい換金性商品を買ってくるようにそそのかして、コーチ屋が、その商品を換金する手数料として、多くの手数料を取ることを目的としている悪徳業者のことです。

コーチ屋とその手口

コーチ屋、紹介屋、買取屋などの言葉は従来は業界用語(iargon)に過ぎなかったのですが、今では広く知られるようになっています。

いずれも悪徳金融業者に冠された名称なのですが、多重債務者の増加と相まって、こうした業者の暗躍が目立つてきているのも事実。その中には、悪質な弁護士と提携する手合いも出てきており、「提携弁護士」という芳しくない単語さえ散見されるようになりました。

コーチ屋は通常、スポーツ新聞などで多重債務者を募り、不正入手のクレジットカードなどで買い回りを指南します。私も現役時代、一味を逮捕してみると、被害総額が50億円に達するとの報告を受け、肝をつぶしたことを覚えています。

多重債務者は、この不況下で増加、高止まりの傾向にあり、予備軍は150万人とさえ言われています(司法統計年鑑)。一方、コーチ屋の手口は最近ますます巧妙化していて、代表的な手口を並べると次のとおりです。

  1. スポーツ新聞やチラシなどで融資申込者を募集
  2. ガードが甘そうな店や買い回りの要領を教示
  3. 商品を買い取る
  4. その際、高率の手数料をとる

このようなプロセスを繰り返させて、犠牲者を抜き差しならない状態に追い込んできます。正直なところ、この手の悪徳業者に対しては、これをやれば事足りるといった万能薬はありません。

クレジットカード絡みのコーチ屋対策

悲しいかな、コーチ屋対策としては、次に述べるような地道な努力を積み重ねていくしか方法がないのが現況です。

  1. 前述したように、コーチ屋はガードの甘そうな店、信用照会端末が未設置の店、女性店員ばかりで、いかにもスキだらけの店を事前に下見する。カード会社は加盟店の監督を一層強化するべきである
  2. 多重債務者の増加防止
  3. カード発行審査のよリー層の強化と、会員ビヘイビアーの分析、類型化等のチェック体制の確立
  4. 犯罪発覚機会の増加。加盟店、会員、一般消費者からの情報収集に努める。そのためには、加盟店のコード10(加盟店からカード会社への緊急連絡)を一層活用する、盗難・紛失情報を受けるカード会社第一線窓口ヘベテラン社員を貼り付ける、謝礼を厚くして一般消費者、カード会員からの情報の入手をさらに活発化する体制を確立するなどの対策
  5. 取締当局との連携の強化。すでに設立されている「クレジットカード犯罪対策連絡協議会」の活動強化

クレジットカードによる多重債務者の対策

その前に、抜本的対策として、多重債務者(詳細については第3章26項参照)を出さない努力が不可欠となるでしょう。

現在、回収が困難視される債権については、「支払命令」「差押え」などの法的回収に重点が置かれている。もちろん、こうした対応が必要なケースも多々あるでしょう。しかし、将来的には、話し合いによる「任意整理」に重点を移行してゆくべきではないでしょうか。

その過程で、多重債務者の窮状をよく見極め、十分話し合い、自発的に返済計画に同意するよう仕向けることが求められるのではないかと考えます。このような地道な努力を積み重ねることによって、多重債務者が悪徳金融業者に傾斜していくのを少しでも防ぐことができるのではないでしょうか。

多重債務者を出さないための考察

こうした考え方は、回収第一線で苦労されている担当者から「甘い」とお叱りを受けるかもしれませんが、借主責任論に貸し手の社会的責任論を加味するものであり、ある意味では、クレジットカード会社がアメリカのCCCS(consumer credit counseling service、消費者クレジット・カウンセリング・サービス)と同様の役割を果たすことにもなり、検討に値するのではないでしょうか。

この構想を現実化するためには、債権管理部門の再編成が必要になってきます。その要となるのは、管理部門の位置付けを再定義すること。つまり、管理部門は従来「延滞債権などの取立てを主な任務とする」と定義づけられていましたが、これを「回収業務のほか、顧客に総合的なサービスを提供する」部門と位置付ける必要があるのではないでしょうか。

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