人が多重債務者に陥いる特徴ズバリ!こんな性格の人がなる!

多重債務者

多重債務者(たじゅうさいむしゃ)とは、2件以上の、消費者金融事業者あるいはクレジットカードなどのキャッシングの利用による借り入れがある人のことです。

この多重債務者数は2008年3月末の時点で117万人余りが存在すると金融庁が発表しましたが、平成2010年に貸金業法が改正され、年収の3分の1を超える新たな借り入れが不可能になった為に、借り入れを行う人が減少したことで必然的に多重債務者自体も減少傾向にあります。

今回はこの多重債務者についての歴史、日本とアメリカの意識の違いについてお話したいと思います。

借金の悲しい歴史

借金で「身を滅ぼす」のは、何も現代に限られたことではありません。紀元前7世紀、古代ギリシャの中心地アテネで、借金を返済できなくなった市民が、我が身を売って奴隷になった故事が伝えられています。そこにはすでに徹底した自己責任の原則があったようです。

日本では、鎌倉時代から高利貸し(借上=カシアゲ)が出現、室町時代(主として酒屋が活躍)を経て、江戸時代に入ると、小回の民間金融業者(座頭金、鳥金、百一文、日なし貸し等)が繁盛し、返済不能者は百叩きの刑に処せられました。一方、幕府は高利貸しを厳しく取り締りましたが、あまり効果はなかったようです。

明治に入ってからも、この高利貸しの余勢は色濃く残り、現代に引き継がれています。1980年に入ると消費者金融が盛んになり、83年にはいわゆる「サラ金地獄」が出現し、これに対抗して、貸金業規制法が施行されたことについては、読者ご存知のとおりです。

多重債務者の台頭

多重債務とは、複数の金融機関やクレジット会社から融資を受けたり、複数枚のクレジットカードなどを使い過ぎることによって、自己の支払い能力をはるかに上回るまでに膨れ上がった債務を言います(ICBA)。借金を返すためにさらに借金を重ねるわけです。

「多重債務者問題」なる語が世間で云々されだしたのは、1991年頃からでした。最高裁の調べによると、自己破産件数は、2000年13万9500件、2001年には過去最高の16万457件(前年比+15%)を記録、今年1-10月で17万3289件と昨年をすでに1万2800件上回っています(日経02・12・4)。また、国民生活センターによると、多重債務に関する相談件数は、2000年中2万2680件(前年比+13%)、2001年中3万1580件(前年比+39%)と急増しています。

多重債務者の予備軍は、一説によると150万人に上るといわれています。

多重債務者急増の原因

なぜこのように多重債務者が急増したのか。その背景には、次に述べる、いくつかの原因が重なっているようです。

社会的要因

  • クレジットカードが社会に浸透してきました(安易なキャッシングの広がり。ちなみに韓国でも加熱したカード発行競争により返済延滞者数が急増している由)
  • ATM急展開に象徴される消費者信用の急速な拡大
  • 貸金業者側における過剰な貸し込み姿勢の高まり(UFJ銀行、みずほ銀行も本体ぐるみで2002年10月から相次いで消費者金融に参入)
  • 借り手側の金銭感覚の歪み
  • 高金利
  • 不況下における企業倒産、リストラ、賃金カット等による生活苦の広がり
  • 個人信用情報機関の排他性

個人的要因

日本クレジットカウンセリング協会調べ(01・6・18)による理由を次の表に引用しておきます(金にだらしない、借金癖がある等の個人的性格は別とする)

多重債務の要因

  • 生活苦 … 35.3%
  • 遊興、飲食、交際費 … 29.9%
  • ギャンブル … 16.3%
  • 収入の減少 … 14.1%
  • 失業 … 12.3%

(アンケートは複数回答による)

多重債務者急増要因の日米比較

アメリカでは、99年、2000年と続いた好景気を反映して、個人破産件数は減少していましたが、2001年に入って景気が減速すると、失業や銀行の貸し渋りを主因として、支払不能の申立件数が次表75とおり上昇してきました(日経01・6・2)。

米国の支払不能申立件数

万(件) 前年比(%)
1998 140 +3.7
1999 127 -9.3
2000 123 -3.2
2001・1~3 年率換算140 +13.8

(1998~2001年の間の調査による)

ここで、はっきりいえることは、米国においては個人破産件数増加の主因は経済的不況であるということですが、これに対し、日本における原因は、前述したとおり、経済的不況プラス借り手側の金銭感覚の歪みなどの個人的要因を加味したミックス型であるということです。日米両国間の金選好、現金選好、カード選好等、国民性の違いと社会的背景を表76にまとめてみました。ミックス型を理解するうえで、この表76は参考になるのではないでしょうか。

金選好、現金選好、カード選好等日米両国社会的背景比較

項目 日本 アメリカ
決済制度 主として現金、日座自動引落制度 主として小切手
社会生活上の危険度 最近やや高まってきている 局い
民族構成 島国、単一民族の村社会型 移民国、異種民族混合型
気風 集団性、寄らば大樹指向、性善説、他人に親切、蝙されやすい 個人主義、性悪説、他人は敵、警戒的
本人確認 名刺社会、顔パス 身分証明書さえ疑う傾向あり
借金感覚 昔は、潔しとしない、勤倹貯蓄型であったが、今は大きく崩れてきている 苦にしない、借金能力を誇る、楽しみ先取りのナウイズム型
貯蓄性向 音の勤倹貯蓄の気風は失われつつある 低いが、土台はしっかりしている
金選好 高い、four nine 24カラットに憧れ、金製品を崇拝 低い、14カラットを純金と思う。西部開拓時代は今いずこの感あり
カード使用頻度 月2~3回程度 月10数回
クレジットヒストリー 無関心の人が多い きわめて大切にする。その保全には訴訟も辞さない

解決方法

ドンピシャリの解決方法などあるはずがありません。法的手段として、任意整理、調停、訴訟、自己破産などがありますが、これまでは、どちらかといえば、自己破産(破産法132条1項)もしくは民事再生法(200条など)を参考とする任意整理が重視されてきましたが、最近は、債務者の心理カウンセリングによる救済にウエイトが移行しているように窺われます。米国の改正破産法はカウンセリングを義務付けています。

現在、日本でカウンセリングを行っている主な団体は次とおりです。

  • NPO女性自立の会
  • 日本クレジットカウンセリング協会
  • 日本消費者金融協会
  • 金銭管理カウンセリング事業団
  • 全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会

多重債務者は、自力で立ち直るのが最も良い、といわれていますが、「言うは易く行うは難し」です。この視点から見ると、たとえば、督促に追い立てられる都度、親に泣き込み、親が援助する図などが最もまずい方法です。

弁護士に頼んで借金の全容を根こそぎ洗い出して処理する一方、債務者に心理カウンセリングを受けさせる方法などが上策、というべきでしょうか。

閣金融の横行

一昨年頃から、ヤミ金融が横行し始めました。気になる現象です。財務省や都道府県への苦情・相談件数は、2001年度は約4万8000件に上ったそうです(読売02・9・21)。東京クレジット・サラ金問題研究会によると、10日で5割、年1000%の高利を貪るという。

借金整理後の自己破産者に言葉巧みに迫り、再び借金漬けにする手合いです。裁判所から借金返済の免責(破産法366条の2第1項)を受けると、その後10年間は、再び免責を受けられない点(366条の9第4項)を悪用しています。

これを、多重債務者に逆戻りさせる「再発現象」というそうですが、当局による厳しい取締りが望まれます。なお、読売新聞は、2002年12月21日から27日にかけて、〔「高利金融」広がる影〕と題して闇金融の実態を詳しく報じました。一読をお勧めします。

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