信用照会端末「CAT」「CAFIS」「CCT」は重要なインフラ!

信用照会端末

消費者(カード会員)がクレジットカードを使う時には、保有しているクレジットカードの信用情報が、加盟店とクレジットカードの間で速やかに照会される必要があります。

消費者(カード会員)がクレジットカードを提示した際に、加盟店がクレジットカード発行会社へ取引に応じてよいか事前承認を行うことを信用照会と呼びます。

信用照会端末とは?

コンピュータ用語でいう「端末」(ターミナル)とは、データ通信回線に接続する末端の電子装置をいいます。この端末は、出入力機能と電送制御機能とを内蔵しており、大別すると、

  1. 汎用端末(プリンター、光学式文字読取装置、ディスプレー、カードリーダー、記録などの機能を備える)
  2. 複合端末(マイクロプロセッサーとプログラムによるデータ処理が可能)
  3. 専用端末(生産管理、切符販売、予約、金融取引などの分野で利用)

の3種に分けられます。このうち、クレジットカードに関係するのは、① ではCAT/CCT、② ではPOS、③ ではCD/ATMである(『コンピュータ用語の基礎知識』共立出版より)。ここで信用照会端末に関連する専門用語を説明しておきましょう。

  • CAT=credit authorization terminal、信用照会端末
  • S-CAT=simpleまたはsmall CAT、簡易信用照会端末
  • G-CAT=gathering CAT、データ収集機能付き信用照会端末
  • CCT=credit center terminal、その他の信用照会端末の総称
  • POS=point of sale、販売時点情報管理端末
  • CAFIS=credit and finance information system、NTTデータ通信帥の通信ネットワーク
  • CATNET=credit application terrninal network、 日本IB:Mの通信ネットワーク
  • CARDNET=日本カードネットワーク社の通信ネットワーク
  • VISANET=VISAの通信回線
  • BANKNET=MasterCardの通イ言回線
  • SGT=VISAが開発したデータ収集対応の信用照会端末
  • CC手順=クレジットカード標準接続手順、CCTとCAFIS手順に対応

それでは、CAT/CCTの説明から始めましょう。1983年3月、割賦販売法の改正を検討していた通産省の消費者信用産業懇談会は、次の4点を織り込んだ報告書をまとめました。

  • 加盟店はCATを設置し、オーソリを行うこと
  • 各業界は、共同でCATを開発すること
  • 磁気ストライプの読み方は、ISO規格によること
  • 通信回線の規制を緩和すること

これを受けて、NTTデータ通信(株)のCAFIS(銀行系カード会社と一部の大手信販会社が中心)と、日本IBMのCATNET(その他の信販会社が中心)とが誕生しました。

CAFIS系のCATは、83年11月から加盟店に配置され始め、この2系統が端末システムの主流となった。しかし、95年に入ると、VISA、JCB、MasterCardなどが後押しするCCT端末が市場参入を始め、この寡占体制を崩しました。

信用照会端末の種類

信用照会端末は、次の表45にあるように、次の3系統に大別されます。

信用照会端末の種類

端末 仕様制定者 出資会社メーカー 設立日 接続手順 ネットワークセンター
CAT CAT JCCA・CAT事務局、全信販CATセンター NTT・NTTデータ通信 1984年2月 CAFISまたは直取 CAFIS
S-CAT
G-CAT
CCT SGT VISA・GPネット (注1) 1995年12月 CC、VISANET O-CAP
JET-S JCB、日本カードネットワーク (注2) 1995年3月 CC、CARDNET
MASTER-T マスターカード、ハイパーコム 1996年4月 CC、BANKET MASTER NETセンター
BIT ミリオンカード、日本ネットワークサービス、MONOREX TELEX 1996年1月 オフライン セントラルシステムズ
JET-ALONE JCB、オムロン オフライン CARDNET
POS (次のページで解説します)
  • (注1):VISA、住友クレジットサービス、UC、DC、MC、ダイナース、日本信販、クレディセゾン、ダイエーOMC。
  • (注2):NTTデータ通信、JCB、ダイナース、オリコ、ジャックス、CF、アプラス、ライフ、日立クレジット、イオンクレジットサービス、ユニーカードサービス、日専連、日商漣など
  • 先発のCAT系…CAT、S-CAT、G-CATの3種
  • 後発のCCT系…SGT、JET-S、MASTER-T、BIT、JET-ALONEの5種
  • 百貨店等のPOSレジ

信用照会端末の配置状況など

端末台数

2002年4月現在表46のとおり、CAT/CCT/POS台数は合計で170万台を突破した(99年11月末では141万台)。この台数は多いのかまだ少ないのか(ちなみに煙草の自販機は全国で52万台、飲料水は270万台)。ここでは、「端末台数はいまの倍あってもまだ足りない」というある大手カード会社セキュリティ担当者の悲痛な声を紹介しておきましょう。

CAT//CCT台数

(単位:千台)

2002年4月 1999年11月
CAT 40 54
S-CAT 49 56
G-CAT 350 372
CCT 437 219
POS 827(01・9当時) 712
合計 1,703 1,413

資料:流通システム開発センター、JCCA CATS事務局、月間消費者信用(02・8月号)など(一部推定値を含む)。

加盟店と売上高の関係

図17は、加盟店の数と売上高との関係を示したものです。百貨店などの大型店と中型店の数は、全体の僅か1%に過ぎないが、売上高の75%はこのグループにより占められています。セキュリティの観点からみると、これら大型店と中型店へPOSやCATなどを配置することがいかに必要であるかが明らかでしょう。

加盟店数と売上高の関係

加盟店数と売上高の関係

カード取引における端末利用率

カードショッピングにおいて、どの程度端末は利用されているのでしょうか。ゼロフロアリミットの下、伝票作成もすべて端末に依存する場合は、利用率はもちろん100%です。インプリンターを使い、電話オーソリの場合は、利用率はゼロです。ATMキャッシングの場合は、勿論100%となります。正確な統計はありません。大手数社の感触をまとめると、件数ベースで5割前後、金額ベースで6割程度というところでしょうか。

信用照会端末の機能

端末の基本的機能は、オーソリの一言に尽きる。ところが、クレジットカード会社は、このオーソリ機能のほか、売上伝票の作成や集計など、次のような様々な機能を付加することを求めてきました。

  • ARに伴うカード読み取りと会社識別振分け電送機能
  • 取引データのタンキング(内部蓄積)機能
  • セキュリティ機能
  • 与信チェック、カード会員ビヘイビア調査機能
  • 売上処理、とくにデータギャザリング(加盟店からアクワイアラーヘの売上データの電子的送込み機能)
  • 日計表、月計表等の統計作成機能
  • 高度な電子的処理機能(DLL、POS接続一後述、ICカードやデビットカード対応など)
  • 携帯式カードリーダー(宅配便などのオフライン型)

端末の機能は、種類、メーカーにより千差万別です。大雑把にいうと、最も複雑なのがG-CAT、簡単なのがS-CATです。ただ、機能が少ないからといって、端末の質が劣るということでは決してはいません。

現に、他の機能を省いてでもセキュリティを重視する端末が、大きな効果を発揮していると伝えらています。端末のメーカーの主なところは、アンリツ、富士通、ハイパーコム、日立製作所、松下電器産業、松下産業機器、モノレックス・テレックス、NEC、日本IBM、NTTデータ、オムロン、ライトウエル、東芝、ベリフォンなどです。

以下に、前述したいろいろな機能のうち注目すべきものを4つ挙げておきます。

カード読取とデータ振分機能

磁気テープに入力されている情報は、端末のカードリーダーにより電子的に読取られます。端末にカードを挿入して手前にこする(スワイプ)と、クレジットカード会社コードが読み取られ、これが、端末のテーブルに伝達され、テーブルの指示に従って、磁気テープデータの送り込み先を識別する仕組です。

売上処理機能

売上処理事務を分類すると、おおむね次のとおりとなるが、全部を処理できる端末と一部しかできない端末とがあります。

  • 売上伝票、レシートの作成
  • 代金支払方法の選択(一括払い、分割払い、ボーナス払い、ボーナス併用払い、リボ払い等)
  • アクフイアラーヘの電子的売伝持込み
  • 取消し、返品処理
  • その他、特別な売上の処理

DLL機能

DLL(=down line loading)は、カード取引に必要なカード会社情報や加盟店情報を、端末処理センターから個々の端末へ電子的に送込むことを意味します。逆に端末側からこれらの情報を呼み込む(手動DLL)機能もあります。

DLLは、新規参入のカード会社を端末テーブルに加える場合、あるいは、無効カードの通知を緊急に加盟店に配布する場合等において、きわめて重要な役割を果たします。

POS接続機能

端末をPOSに接続させる機能であるが、これを備えた機種はまだ多くありません。大型店はPOSを配置しているが、各売り場にすべて1個ずつというわけにはいきません。この間隙を埋めるのが、POS接続機能を持つS-CATです。

信用照会端末をめぐる今後の問題点

カード業界は、金融再編、インターネットの普及、電子技術の急速な進歩、カード犯罪の蔓延などを背景に、いま、その対応に追われています。信用照会端末も業界が営々として築き上げてきたカードインフラの重要な一環であり、決してその例外ではありえません。いま端末が直面する3つの問題点を指摘しておきましょう。

ICカード対応

日本クレジットカード協会は、2000年1月、2003年から磁気テープをICチップに切り替えることを決定しました。同年中にCAT仕様を改定し、2001年から移行準備に入りました。POSを含め、170万台の端末を改定する必要があり、所要資金は数百億円に達すると伝えらています。VISAも、その一部を援助する意向があると小耳に挟んでいます。

端末機能の高度化

ICカード、デビットカード、プレペイドカード、クレジットカードを一台で処理するスグレものの端末の一刻も早い展開が待たれています。

セキュリティの強化

前述したPRISM、FALCONのような不正探知システムを内蔵する端末が出現し、加盟店とくに大型店舗に設置されることが望まれます。

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