クレジットカードのサイズやサイン、仕様って会社で違うの?

クレジットカードの仕様

1枚でいろいろな役割を果たすカード、これはカード関係者の悲願でした。現在、カードの機能の多様化には著しいものがあります。銀行と郵貯、ノンバンクとの提携も進み、国の内外で、 1枚のカードが、キャッシュカード、クレジットカード、デビットカードとして使われています。

現在の磁気テープは、今後急速にICチップ化され、それに伴う非接触型端末などの整備も着々と進められています。携帯端末がカードに取って代わる時代もすぐそこまできているようです。

クレジットカードの素材

このような事実を頭に入れて、今回はカードの仕様を再確認しておきましょう。日本ダイナースクラブは、1961年、わが国で初めてクレジットカードを発行した。素材はラミネート(薄板状にして重ねる)されたプラスティックで、現在のような磁気テープはなく、照合用に本人の署名欄があるのみでした。これが、日本および世界で発行されたプラスティックカードの元祖でした。

アメリカでは、30年代初めから、クレジットカードの原型といわれるオイルカードが発行されていたが、これは紙製でした。初のプラスティックカードが日本で発行されたことは特筆に値します。

プラスティック(硬質ポリ塩化ビニール)は石油を原料とします。圧力や熱で加工しやすい合成樹脂の一種で、40年代半ばから急速に商用化されました。その応用範囲は実に広いが、消却時に有害物質のダイオキシンを発生し、土中に埋めても分解しないという欠点を持っています。クレジットカードの発行枚数は現在2億5千万枚程度、毎年その3分の1が更新されると仮定すると、1枚5グラムとして、年に400トン超の有害物質がでる計算となり、やや頭が痛い。

この問題を解決するために、分解できるプラスティックや非結晶性のポリエステル樹脂などの環境に優しい素材の研究が進められ、カードヘ応用されているそうです。

カードのサイズと表と裏の仕様

カードは、ISO7810、7811などにより、素材、構造、寸法などが規定されています。横は85.72ミリ、高さは54.03ミリ、厚さは0.76ミリプラス・マイナス0.08ミリ、角の丸みは4隅とも半径3.18ミリプラス・マイナス0.30ミリとなっています。

カード表面

表面の仕様は以下のとおりです。主なものについて若干説明しておきましょう(月刊消費者信用2000年6月号93頁より。裏面も同じ)。

エンボス文字
BIN(メンバー番号)、会員番号、有効期限、会員名などをこの文字で表しています。カード面上の位置、突起の高さなどすべて決められています。
国際ブランドカードの識別(ident cation)部分
面積は全体の15%以下で、縦、横、囲み線について規定されています。最近、この識別部分を裏に持っていく、いかない、でブランドカードと有カメンバーとの間で論争があったと伝えられました。
ホログラム
1949年、ノーベル物理学賞受賞者であるイギリスのD.Gaborが発明したもの。レーザー光線を用いて、光波が被写体の各部分で回析する原理を応用し、画像を立体的に浮かび上がらせる特殊フィルムです。VISAが初めて採用しました。大規模な装

置と高度な技術を要し、偽造は極めて困難といわれています。

イシュアーの識別部分
面積は全体の85%以上を占め、各社で自由にデザインできる部分です。提携カードの場合は、イシュアーと提携先とがこの部分を共有します。
ローカル・アクセプタンス・マーク
このマークは、別名「イシュアー・マーク」ともいい、たとえば、UC、DC、NICOSなどの各社のロゴを指します。複数の表示も可能。国際ブランドカードと並べて、自社のロゴをどこまで主張するか、でメンバーは、時々ブランドカードと対立することがあるようです。

カード裏面

磁気ストライプ
位置について厳格な規定があります。
シグネチュア・パネル(署名欄)
磁気テープと同様、その位置が規定されています。なお、このサインパネルは、通常、カードの横幅一杯となっているが。横の端に達していない(宙に浮いた形)ものもある。これを「アイランド」パネルという。この場合の島の位置も上下、左右とも、厳格に位置が定められています。紙幣には、高度の印刷技術を駆使した偽造防止策があり、これを「対タンパー技術」といっているが、カードの署名欄にも、この技術が施されています。この欄には、地紋、彩紋、マイクロ(後述)が加工されているので、サインの書き直しなどは一日でわかるようになつています。なお、タンパーとは「いじくりまわす」という意味です。

ATMマーク、ローカルアクセプタンス・マーク、印刷業者名など。
その他
会員規約、会員への注意事項、サービス電話番号など。イシュアーが自由に決定できます。

印刷技術、偽造防止策など

主な色は、パントーン社、ファンクショナル・マテリアル社など、アメリカの企業が特許をもつ色を使用しています。

特殊印刷

蛍光インク
隠し文字を印刷しており、紫外線で識別できます。
メタリズム
それぞれの色の波長を利用してカラーを識別します。
地紋と彩紋
地紋とは淡い色の網点や砂目を印刷したもの。彩紋とは円、楕円、波などの形を複雑に組み合わせた幾何学的模様。いずれもカード両面のある部分に印刷されているが、肉眼では識別できません。
マイクロ
微細な文字を連続させると、肉眼では1本の線に見えるが、拡大すると、一定の文字が浮かび上がります。
レインボー
複数の色を用いて隣接する色をにじませると、連続して色が変化しているように見えます。

特殊文字

国際ブランドカードは、それぞれ自社のマークを表す特殊な文字(1字ないし4字)の印字型を本部のいずれかのところで製造し、これを各国の指定印刷業者に付与しています。この特殊文字はカード面上に刻印されています。

磁気テープの保護

磁気隠蔽層(コーティング)、多層磁気記録法(ダブルコーティング)、微粒子磁性体を使用し入力したデータの書き替えや消去を防ぐ方法(ライトワンス)、磁気層と超小型ヒューズ電気層との二重構造型など、いろいろな工夫があります。

その他

回析バーコード(DVC)、ウォーターマーク(透かしの一種)技術などがありますが、いずれもコストあるいは特許の問題が障害となり、広く応用されるには至っていません。

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